Architect Elevator Blog日本語版

Real life writes the best stories, so ride the architect elevator up and down Enterprise IT with me. -- Gregor Hohpe

なぜ自分達で作っていないソフトウェアを動かすのか

最新のクラウド技術の多くはコンテナを利用しています。しかしながら、それなりの数の企業アプリケーションがコンテナ上では簡単に動きません。この難しい問題に対する回答は、一歩下がって根本的な問題について考えることにより得られます。

GoogleのCloud Services Platformのような最新のクラウドプラットフォームは、アプリケーションとサービスの一貫性のあるデプロイメントと運用のための中核技術としてコンテナを利用しています。従来のIT組織とコンテナ技術について議論した時によくある反応は「多くの私たちの企業アプリケーション、特に市販の商用ソフトウェアはコンテナ上では動きません。少なくとも、ベンダーのサポートがなければ」。確かにその通りです。しかし、この難問への回答は面白いことに、一歩下がって、より根本的な問題について考えることにより得られます。

企業のIT = 他人の作ったソフトウェアを動かす

企業のITは主に他の誰かが作ったソフトウェアを動かします。これは、企業のITが自分達でソフトウェアを構築するより購入することを好むからであり、実際にそうしています。時が経つにつれて、他の人が作ったソフトウェアを動かすことはITの基本前提となりました。ITはソフトウェアとハードウェアを調達し、ソフトウェアをハードウェアにインストール、設定、統合、そして運用します。

これにより、ITはかなり過負荷な状態になっています。

Is your IT overloaded?

もし、あなたのITがこのような状態であれば、スリム化すべき時です。

他人のソフトウェアを動かすのは本当は高い買い物

よく考えると、他の誰かが作ったソフトウェアを動かすのは実のところ高くつきます。

そうです。自分達が作ったのではないソフトウェアを動かすのは、実のところそれほど良いことではありません。企業のITがこのモデルに慣れてしまい、多くの人が疑問を持たなくなっているのにはびっくりさせられます。

SaaS - Software as a Service

幸運なことに、クラウドの世界は新しい選択肢をもたらしてくれました。Software-as-a-service (SaaS)を使うと、ベンダーが顧客のためにアプリケーションを動かしてくれます。パッチをあて、アップグレードし、拡張し、壊れたハードウェアを交換してくれもします。ずいぶんましになりました。

興味深いことに、Salesforceは2005年頃にこのモデルを採用した本当に最初の会社でしたが、現在は他の会社もこのモデルを採用しています。Google G Suite(2006年にGoogle Apps for Your Domainとして始まりました)のおかげで、全てのコミュニケーションとドキュメントをクラウド上で扱うことができます。そして、SAP SuccessFactorsによる人事と業績管理、SAP Cloud ERPによるERP、ServiceNowによるサービス管理、Mulesoft CloudHubによるそれら全ての統合が可能です。(注: これは単なる例であり、これらの企業と提携しているわけではありません。G Suiteについて言及するかどうかにかかわらず、Googleは給与を払ってくれます :-)

しかし…

当然ですが、企業ITは長い「しかし」のリストを持っていることが多いので、いくつか見てみましょう。ゴールはこれらの懸念事項を却下することではなく、何が変わるのかを認識してもらい、懸念を減らす(あるいは無くす)ことです。

自分達で作ったソフトウェアはどうなのでしょうか

当然ですが、自分達で作りたいソフトウェアもあります。例えば、他社との競争で優位に立つためのものです。そのようなソフトウェアにおいては、デリバリーの速さ、可用性、そしてスケーラビリティが重要な基準です。幸い、クラウドは単なるインフラストラクチャではありません。CI/CDパイプラインやコンテナオーケストレーション、例えばKubernetes、あるいはGoogle Kubernetes Engineのようなマネージドサービスを組み合わせたPlatform-as-a-Serviceとして提供されます。 

戦略 = ベクトル

全てのオンプレミス上のソフトウェアが明日なくなることはありません。しかし、戦略は方向性であり、目の前の現実ではありません。自分たちで作っていないソフトウェアを動かさないことは、ITのスリム化のための現実的なIT戦略になったと確信しています。