最も重要なアーキテクチャ上の決定を知らずにおこなっていたのかもしれません
意識的な決定は優れたアーキテクチャへの大きな一歩です。
最近、開発者の生産性向上のためのプラットフォーム製品の選定に関して同僚と話す機会がありました。参加者の多い打ち合わせだったので、他にも製品があるなかでチームがどのように特定の製品を選んだのかに興味を持ちました。同僚はプラットフォームの様々な部分に関してレビュー記事、レビュー、業界アナリストのレポートなどをもとにチームでかなり調査をしたことを強調しました。チームはレビューの評価が高く、最も利用されているように見える製品を選択していました。
同僚が完璧な仕事をしたことについて防御的な説明をしたので、製品選定はチームにとって重要な決定事項ではなかったことに気づきました。しかし、なぜ意思決定がアーキテクチャの非常に本質的な要素なのかについてまず考えてみましょう。
これはアーキテクチャですか? 意思決定を探してみましょう
全てのシステムにはアーキテクチャがあります。しかし、意味のあるアーキテクチャ、つまりセレンディピティによるものではなくアーキテクトによって設計されるアーキテクチャは簡単ではない意思決定によって形づくられるのです。これらの意思決定はいくつかの最もらしい選択肢から選ばれるものであり、それぞれの選択肢には検討すべき長所と短所があります。建物のアーキテクチャから借りてきた簡単な例がこの点を示しています。
意識的なアーキテクチャのない家とある家
左側の家にはアーキテクチャがあります(全てに存在します)が、意識的なアーキテクチャではありません。重要な決定が欠けているからです。もちろん、ドアは地面に面していますし、窓は壁にきちんと配置されています。残念ながら、これらはアーキテクトへの支払いに値する決定ではありません。
右側の家も同じように見えますが、過度な雪の重さを避けるための屋根の傾斜のような明示的な決定があります。つまり、優れたアーキテクチャは複雑なものではなく重要で意味のある決定を行うものです。
注: オリジナルの記事がEnterprise Integration Patternsにあります。また、私の書籍で改定されたバージョンを読むことができます。
重要な決定はすでに行われています
開発プラットフォーム用のツール選定に話を戻しましょう。
製品の選定はチームにとって最も重要な決定ではありませんでした。すでに大きな決断を行なっていたからです。必要なコンポーネントごとに最も優れたツールを選択することをチームは決定していました。かわりに、プラットフォームにうまく統合できる一連のツールを選択できたかもしれないのに。
チームは前者のアプローチを取ることを決断しました。おそらく、あまり深く考えずに。結局のところ、最高のツールが欲しいわけですよね? 機能ごとに一番優れたツールを選ばないという別の選択をしたとしても、全体最適なソリューションを得ることはできます。どちらの選択も合理的なので決定は簡単ではありません。
また、どちらの選択肢にも問題があります。例えば、「最高の組み合わせ」アプローチの選択は、プラットフォームがフルーツサラダではなくフルーツバスケットのように見えることを意味します。
以前、意思決定に関するITの課題について書いたように、意思決定のトレードオフを経営層に認識させることは重要です。したがって、そもそも自分が行おうとして入る意思決定に意識的になる必要があります。
思い込みに気をつけて
無意識の決定は多くの場合、思い込みの形をとって現れます。思い込みは危険です。存在するがどこにもドキュメント化されていない要求、つまり要求でないものを導きます。暗黙の仮定と無意識の決定により、期待を裏切られたり、驚愕させられたりすることが起こります。
このような思い込みに気がつく最善の方法は、一歩下がり、ズームアウトして全体を眺めることです。 セータを買うためにお店におり、100ドルのセータとより良い150ドルのセータのどちらを買うか悩んでいるとしましょう。一歩下がってみると、すでにセータを買うこと、買う場所、そして価格帯を決めていることに気がつきます。多分、好みのブランドもあるでしょう。二つのセータの比較表を作ることには意味がありません。長い意思決定ツリーの結論を表現するITにおけるスコアカードには途中で行われたほとんどの検討事項が書かれていないのと同様です。外が寒いと感じるのであれば、暖かいセータの代わりにスカーフでも良かったかもしれません。
意識的な意思決定
日常生活における直感と好みに基づく決定には何の問題もありません。しかし、ITは意思決定とともに長い寿命を持ちます。100ドル以上の賭けです。したがって、何かを決定する時には決定しようとしていることを意識してください。